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Special Interview

監督 伊藤智彦 × プロデューサー柏田真一郎 インタビュー


2017年2月18日に全国公開となった『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』。日本のみならず世界各国で多くの人々を魅了したこの作品が遂に2017年9月Blu-ray/DVD化。そのBlu-ray/DVDのANIPLEX+購入特典「ミニファンブック」用に新規録り下ろしされた伊藤智彦監督の対談シリーズを、特別にWEB掲載。ミニファンブックでは語られていない川原礫 先生との対談<#2>と、柏田真一郎プロデューサーとの対談をWEBでご覧頂きます。
※伊藤監督と川原先生との対談<#1>及びLiSAさんとの対談は、ANIPLEX+のBlu-ray/DVD購入特典「ミニファンブック」にてご覧いただけます。


当時は『SAO』のことを存じ上げなかったので
知り合いに電話して「このタイトル知ってる?」と聞いたのを記憶しています(笑)


――柏田プロデューサーと伊藤監督は『ソードアート・オンライン』TVシリーズ第1期で初めてタッグを組まれたそうですね。

柏田P そもそも『SAO』のアニメ化は、当時のアニプレックス チーフプロデューサー岩上(敦宏)がアスキー・メディアワークスさんと立ち上げた企画だったんですが、その初期の打ち合わせの席で、岩上や当時ジェンコにいた大澤(信博)さんたちと一緒に、A-1 Picturesで伊藤さんに初めてお会いしたんでしたよね。
伊藤監督 そうでした、2011年1月ぐらいですか。俺が『フラクタル』の演出やってるときだったと思います。当時は『SAO』のことを存じ上げなかったので、知り合いに電話して「このタイトル知ってる?」と聞いたのを記憶しています(笑)




――先日発売された『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』Blu-ray/DVDのANIPLEX+限定特典「ミニファンブック」にて、原作者・川原礫先生との対談の中でも伊藤監督は語っていましたが、当時は監督を引き受けるのを断られていたとか。

伊藤監督 そうですね。二回断ってます。
柏田P いまさら聞くのもどうかと思いますけど(笑)、プレッシャーがあったんですか?
伊藤監督 それもそうですが、『SAO』という作品に自分は合ってるのかな?というほうが。
柏田P その結果、今はどうです?
伊藤監督 うーん、ピッタリ合っているとは未だ思ってないんですよ(苦笑)。もっとうまく演出できた人が、きっといたんじゃないかなと。
柏田P いや、そんなことない。
伊藤監督 それは……結果論じゃないのかなぁ(笑)
柏田P いやいや、それを言ったら世の中、全部結果論ですよ(笑)。ただ、『SAO』に限って言うと、前々から僕は思っていましたが、やっぱり伊藤さんとキャラクターデザインの足立(慎吾)さんとのタッグがあったからこそ『SAO』の成功があった。ご本人たちはどう思ってるか分からないですけど、僕はそこが一番良かったことだと感じています。


――柏田さんは、実際に伊藤監督とお仕事をされる前、どういう印象を持たれていたんですか?

柏田P もともと伊藤さんは、マッドハウスの出身ですし、マッドハウスさんにはすごくいい演出家、監督さんが揃っていた。その安心感はもちろんですし、伊藤さんの初監督作品である『世紀末オカルト学院』もそうですが、『SAO』のようにギャグシーンが入りながらも比較的硬めな作品は、伊藤さんとも相性がいいだろうと思っていました。


ようやく時代が追いついたからこそ、今も人を惹き付けるのだと思います。





――そこから『SAO』が本格始動しましたが、せっかくの機会なのでTVシリーズ第1期、《アインクラッド》編&《フェアリィ・ダンス》編から振り返っていただこうかと。

柏田P 第1期の思い出といえばやはり、第1話ですね。あの回は監督が演出までされてるんですけど、「勝ったな!」と思いました。そして『SAO』がアニメでも長く愛されている理由は、川原さんの原作の世界観が魅力的だったから。VRのMMORPGと現実とが融合する世界というのは、今でこそ誰もが思い付くアイディアですが、10年前にそれを作品化された人は誰もいなかった。ようやく時代が追いついたからこそ、今も人を惹き付けるのだと思います。
伊藤監督 たしかに、それまでもゲームの中を描いた作品はありましたが、あまりマニアックにならない世界観を提示できたからでは?と思います。『ゲーム内に行きてー!』となるような。
柏田P さらにいえば、キリトとアスナも単なるヒーローとヒロインじゃない。
伊藤監督 アニメも2人の話を軸に絞り込んでいけたのが良かったのでは…と思いますね。先日も、TV番組のアニメランキング企画で、ジャンプ作品に交じってキャラ人気が20位以内に食い込めたのは、大したものだと思いました。
柏田P ある意味、全部のメディアミックスがうまくいった稀有な例だと思うんです。先日も『ソードアート・オンライン フェイタル・バレット』の新情報なども発表されましたが、ゲームも数々ヒットしていますし。……そういえば今までずっとお聞きしたかったんですけど、《アインクラッド》編は、原作2巻でほとんど終わってるじゃないですか。アニメではエピソードを時系列順に再構成しましたけど、実際のところ原作を読んでどう思い、アニメ化にあたってはどういう思惑があったのかなと。
伊藤監督 前振りなしにしょっぱなから、キリトとアスナが仲良さげなのを見て、「さてこれは……」とは思いましたね。結構仲良さげな感じなので、付き合ってるのかな? いやそうでもないのかな? と、よく分からなかったんですね。
柏田P たしかに、ふたりの出だしはそうですね。
伊藤監督 そこで俺は、人が恋に落ちる瞬間を見たい!と思い、「その部分はないんですか?」「いや、考えていますよ」みたいな話が打ち合わせであったので、「じゃあやりましょう」と無理やり書いてもらったんですよね。その結果、アニメでは『SAO』正史的なものができたということになりましたよね。
柏田P 厳密に言えば、アスナがキリトに恋した瞬間って、じつは描かれていないじゃないですか。
伊藤監督 それは……助けてくれたからじゃないですかね、1層で(笑)。一応、アニメでいうと第1期の10話あたりが当てはまると思うんですが。
柏田P そういうものですかね。「なぜアスナはキリトに恋をしたんでしょう?」という決定打が、僕は前から知りたかったので、『SAO プログレッシブ』で詳しく書いてくれますよね、川原さん? と、プレッシャーをかけさせてもらおうかと思ってます(笑)



――そんな好調な出だしの第1期から2年後の2014年、さらなる期待感の中で第2期がスタートしました。第2期では、《ファントム・バレット》編、《キャリバー》編、《マザーズ・ロザリオ》編が描かれました。



柏田P 2期も2期で、構成には悩みましたね。
伊藤監督 そうですね。
柏田P 今だから話せますけど、3編で構成したというのも、じつはあまり前向きな話じゃなかったんですよ。《ファントム・バレット》編の「ガンゲイル・オンライン」での話は、普通にアニメでやっていくと14話くらいにはなるし、最後に描こうと思った《マザーズ・ロザリオ》編は7話くらい。総集編は別として、2クール全24話でキリよく終わろうとすると、どうしても3話分ほどエピソードが足りない……。
伊藤監督 24話からさらに減らすわけにもいかないので、どうしたもんでしょうね?と。いきなりオリジナルエピソードを出しまくるのも違うと思ったので、3編構成になったんです。さらに第2期は、《マザーズ・ロザリオ》編で終わるのはいいんですけど、あれはアスナとユウキの話。「キリトくんの出番は少ないですけど大丈夫ですか? 最後どうしましょうね?」みたいな話を初めからしてましたよね(苦笑)
柏田P 20話の「悪いな……ここは通行止めだ」でカッコよく登場するだけでも、十分でしょ、キリトは(笑)
伊藤監督 まあ、それはそうなんですけど(笑)、さすがにシーズンの最後なので、キリトを語らないと終われないなぁとは当初から思っていて。ちょっと足させてもらいました。



劇伴をトラックダウンしてるときから聴けると、
「こういう想いで作ってるのか」とか「この曲はこう使いたいな」というシミュレーションが先にできる。


――伊藤監督は「ミニファンブック」で主題歌アーティストであるLiSAさんとも対談していただきましたが、『SAO』は主題歌アーティストとのコラボだけでなく、劇伴にも相当なこだわりが感じられました。

柏田P そうですね、ミュージシャンのみなさんとも一緒に作り上げていけた感覚はあります。音楽を担当していただいた梶浦(由記)さんともそうですね。監督も毎回、梶浦さんのスタジオに差し入れを持って曲の完成を聴きに行ってましたしね。
伊藤監督 監督になるまで、作曲家さんと会う機会というのがまずなかったんです。事前打ち合わせと打ち上げだけしか会わない現場も珍しくない。でも、劇伴をトラックダウンしてるとき、あるいは曲の収録時から聴けると、「こういう想いで作ってるのか」とか「この曲はこう使いたいな」というシミュレーションが先にできる。なので『SAO』では、積極的に行くべきだと思って、スケジュールを教えてもらっていたんです。俺が助監督をしていたとき、細田(守)さんもそうしていたので。
柏田P 作曲家さんも安心しますよね。
伊藤監督 そうです。向こうも制作中は不安に思うわけですよ。「この曲は本当に使えるのかな?」という感じで。その時に、「大丈夫、大丈夫、あのシーンで使いますから」と言ってあげられると、お互い良いですからね。




――スタッフィングの話でいうと、最初に柏田さんは、『SAO』の勝因のひとつは伊藤監督×足立さんの力とおっしゃっていましたが、足立さんの起用は?

伊藤監督 俺からですね、『WORKING'!!』の絵が好きだったので、ダメモトのつもりで打診しました。後で足立さんもMMORPGをずっとやられていたと聞きましたね。
柏田P abecさんのキャラクターもすごく魅力的なので、どこまで足立さんカラーを出すかは、ご本人も悩んでいたんですよ、当時。最初に上がってきたキャラクターデザインも、かなりabecさんの色に寄せたものでしたしね。そのあたりのすり合わせも兼ねて、那須高原でキービジュアルを作るための合宿をやりましたよね?
伊藤監督 やりましたね。2011年の12月末に。
柏田P そう、雪が降ってましたからね。



ほんとに、ロッジから一歩も出ずに、3日間、お酒も飲まずに『SAO』のことばかり考えてた。



伊藤監督 冬コミケで公開だったので、もうギリギリだったんですよ。足立さんはその直前まで『WORKING'!!』をやっていたので、まだキャラ表(キャラクター設定表)も進んでいない状況でしたけど、先にキービジュアルを納品しなければならなかったので、急遽。
柏田P サブキャラクターデザインの川上(哲也)さんにも来てもらって、「足立さん、キリトとアスナを描いてくださいよ!」と。
伊藤監督 強制連行でしたね。俺は、10話のコンテを書いていた時期です。
柏田P ほんとに、ロッジから一歩も出ずに、3日間、お酒も飲まずに『SAO』のことばかり考えてた。3日目の夜に、ようやくビールを1本飲んだくらい。まぁ、僕らは立会人みたいなもので、結局は足立さん一人の作業じゃないですか。一人でひたすら文句言ってましたね、ブチブチと(笑)。でも『SAO』はね、いいチームですよ。TVシリーズも1期2クールものは作るのが大変なんですけど、第2期の最後まで、なんだかんだ言って乗り切ってくれましたし。プロデューサーとしては、スタッフ陣には感謝しかないです。今回の劇場版『OS』も、今の御時世、あそこまでのクオリティーを出すのは大変ですし。
伊藤監督 その劇場版も、現場はむさくるしい男所帯でしたけど(苦笑)
柏田P 第1期からずっと言われてましたね、女性がいなさすぎると。
伊藤監督 第1期もね、新人の女の子がミニスカートを穿いてると、某AさんやKさんが、なにげなくそっちを見てる(苦笑)
柏田P ダメですよ、今の御時世ハラスメントには敏感なんですから(笑)



錚々たる方々が、たった1話ほどで出ては消えする、贅沢なキャスティングをさせていただきました。



――チームといえば、キリト、アスナのキャスティングはどのように決められていったんですか?



伊藤監督 オーディションで戸松(遥)さんは、全員一致な感じでしたよね。
柏田P 最後は岩上が推し、松岡(禎丞)くんは監督の推しで。
伊藤監督 原作を読んだときから、キリトはナイーブなヤツだと思ったんです。あとで川原先生に話を聞くと、先生は元気のいい男の子を想定していたようなんですが、恋愛をやるならナイーブさがあったほうがいい。オーディションの時、「キリト役をやります、松岡禎丞です」という第一声にそれを感じて、いいなと思いました。あと、叫びの多い役なので、それがカッコいい人がいいなと、松岡くんに。


――戸松さんのほうは、どこが気に入られて?

伊藤監督 戸松さんを含めてですが、女性キャラクター陣は、若手の中でも安定感を重視したキャスティングを心掛けました。あとは……これは他でも言ってることですが、リーファ役の竹達(彩菜)さんに関しては、彼女はオーディションをリーファ役で受けてはいなかったですが、“妹”役なら竹達さんじゃないか?と誰かが(笑)
柏田P アニプレックスの人間ではないですね、その発言の感じは(笑)


――随所に登場するベテラン勢の活躍も『SAO』は印象的ですが?

伊藤監督 一番初めに俺が決めた役が、オベイロンの子安武人さんだったんです。そこから、じゃあ茅場は山寺宏一さんしかいないだろうと、岩浪(美和/音響監督)さんに「他には考えられないから、山ちゃんをなんとか!」とお願いしましたね。なので他のキャラもそこを基準にハードルを上げざるを得なかった。錚々たる方々が、たった1話ほどで出ては消えする、贅沢なキャスティングをさせていただきました。
柏田P ユウキなどは、ゲームが先行したキャラクターでしたから、まだユウキが出てくる話をアニメにするかしないかの段階で、悠木碧さんに決めましたよね。
伊藤監督 お上手ですからね。いっそ、ユウキは名前で選んだことにしましょう、とか言ってた時期もありましたけど、残念ながら違います。
柏田P そういうふうに、アニメのオンエアがない間も『SAO』シリーズが盛り下がることなく続けてこれたのは、バンダイナムコさんのゲームが、毎年出続けてくれたおかげもある。感謝しています。


――そんなTVシリーズを経て、今年公開された劇場版『OS』は全世界で大ヒットしました。劇場版のシナリオをどう作り込んでいったかという話は、「ミニファンブック」のほうで伊藤監督と川原先生が詳しく話されていましたが、柏田さんは制作過程にどんな思い出が?



柏田P 劇場版『OS』は、《アインクラッド》編を再構築するか、オリジナルストーリーで行くかの2択から話が始まり。川原さんの新たなARゲームを舞台にしようというアイディアから、オリジナルストーリーを伊藤さん、川原さんに組み上げてもらい、伊藤監督の最終稿が第10稿までいったんですよね。ただ、1稿進むたびに本読みがあるんですけど、とにかくシナリオが超分厚いので、申し訳ないけど僕の読みが追いつかない。結果、6~7稿目でやっと、プロデューサー的要望としてアスナをもっと活躍させられないか?というようなことをバーッと喋ったら、全員に「お前、今になって言うんじゃないよ!」と怒られたと(苦笑)
伊藤監督 (苦笑)
柏田P 第1期のデスゲーム=死というのは、非常に秀逸なピンチだったんですが、今回はそれがアスナの記憶喪失になったことで、どこまでキリトたちがそれを大きなピンチと思えるか、どこまでアスナを追い詰めるべきかは、非常に決めかねましたね。最終的に、今のカタチになってすごく良かったと思います。



『SAO』は北米もヨーロッパもアジアも、どこでも通用する稀有なタイトルだから



伊藤監督 劇場版『OS』は、各国で解釈の違いがあるのも面白かったですね。中国で言われたことで印象的だったのは、エイジが最初の戦闘の最中、アスナに「スイッチ」と言ってスローモーションになるシーンがあるんですけど、中国の人たちは、そのエイジくんを見て「ストーカーっぽい」という感想を持ったそうなんです。
柏田P え?
伊藤監督 エイジが気持ち悪い人間に感じたらしいんですよ。キリトから、アスナを寝取ろうとしてる人間に見えたと。まったく違うんだと伝えましたけど、そういう感性の違いは、世界公開してみなければ分からなかったことですね。





――「ミニファンブック」の監督と川原先生の対談では、柏田さんが劇場版『OS』は興行収入目標が20億円だと宣言して、みなさん驚いたというエピソードがありましたが?

柏田P それは、僕じゃなく、もっと偉い人からのお達しで!(笑)
伊藤監督 俺たちの中では、柏田語録として刻まれていますけど(笑)。でも、全世界1000館公開するぞ!とおっしゃったのは柏田さんでしたよね? それもけっこうなプレッシャーでしたよ。
柏田P それは僕でしょうね(笑)。それは、『SAO』が北米もヨーロッパもアジアも、どこでも通用する稀有なタイトルだからですね。日本アニメは人気だと言いつつも、そこまでオールマイティにヒットできるタイトルはないんですよ。『進撃の巨人』くらいじゃないのかな。でも結果的には、欧米とアジアで1600館、さらに中国で6000館超ですから……ここまで来たら1万館まで行ってくれないかなと。
伊藤監督 そんな野望が(笑)
柏田P なかなかね、大ヒットした日本アニメでも、自社で海外配給までまかなえる会社はないですからね。だからアニプレックスが先陣を切って、『SAO』という希有なタイトルで実現したかった。そうすれば、次に出ていく作品でも2000館、3000館での公開が可能になる。その土壌を劇場版『OS』で作れたのは良かった。先日発売されたBlu-ray/DVD版も、けっこう大きな数字を売り上げ目標に挙げたんです。おかげさまで非常に好調で、ありたがたいですね。
伊藤監督 “言霊”じゃないですけど、“ぶち上げる”って大事ですよね。俺も劇場版『OS』の制作中は、スタッフに「これはデートムービーだから!」と散々言ってたんです。男の子が女の子を誘って観に来るアニメ映画にするんだと。
柏田P 言ってましたねぇ。
伊藤監督 岩浪さんなんかは、「何言ってんだ?」とおっしゃってましたけど、公開後にちょっと謝られましたよ、「いたよ女の子が劇場に、たしかにデートムービーだったよ」って(笑)。だから柏田さんも……。
柏田P 次に劇場版をやるときは、全世界30億を軽く超えたいっすね……とか言わなきゃいけないかな?(笑)


――そして先ほどパッケージ版のお話がありましたが、パッケージ版では劇場公開版からリファインされた部分もけっこうありますが、全体を通じて、柏田さんのお好きなシーンを挙げていただくと?

柏田P 僕はやっぱりアスナのシーンですね。ラストバトルで死を克服し、アスナがみんなの戦いにやっと合流するじゃないですか。ボスに一発かましてからの、振り返ってのドヤ顔。あのドヤ顔が最高ですね。
伊藤監督 あそこは、音楽も盛り上がるように気を使いました。アスナの曲のフレーズがかかるんですが、SEに負けないよう、ちゃんと聞こえるように調整しています。
柏田P あとはやはり、監督がこだわったユウキとアスナの共闘。劇場版『OS』が、シリーズファンにより喜んでもらえたのも、あの名場面があったからこそかなと思います。






やらなきゃいけないこと、やりたいことはたくさんあるんですよね。
なので、ファンの皆さんが応援してくれる限りはアニメのほうも頑張りたい。


――ここまで、『SAO』第1期から劇場版までを駆け足で振り返っていただきましたが、先日「電撃文庫 秋の祭典2017」で、シリーズの新展開も発表となりました。

柏田P はい。川原先生の原作第4部となる『SAOアリシゼーション』のTVアニメ化と、時雨沢恵一先生が手がけられている『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』のTVアニメ化ですね。2作とも、詳細はこれから随時発表されていきますので、楽しみにお待ちいただけたらと思います。




――さらに今後、『SAO』シリーズはどのように成長していくのかも気になります。柏田さんは、プロデューサーとしてどんなビジョンをお持ちですか?

柏田P 川原先生の原作も、本編だけでもう20巻続いていますし、《アインクラッド》編の1層からを詳細に記録した『SAO プログレッシブ』シリーズも続いている。そうなると、『プログレッシブ』の映像化も面白そうですし……やらなきゃいけないこと、やりたいことはたくさんあるんですよね。なので、ファンの皆さんが応援してくれる限りはアニメのほうも頑張りたい。ただ『プログレッシブ』が完結するのはまだまだ先なようなので……。
伊藤監督 川原先生にも柏田さんにも、ぜひ元気で『SAO』シリーズを続けていっていただきたいですよ。
柏田P お互い、励まし合って頑張りたいですね(笑)


Post date : 14/11/2017
interview & text : Mika Abe





Profile

伊藤 智彦(いとう ともひこ)

監督・脚本。
主な作品に『僕だけがいない街』(監督・絵コンテ・演出)、『銀の匙 Silver Spoon』(監督※1期のみ・音響監督)など。

柏田 真一郎(かしわだ しんいちろう)

アニメプロデューサー。
主な作品に『ハイスクール・フリート』、『魔法科高校の劣等生』など。