Vol.2 プロジェクトパートナーインタビュー
呉服業界とアニメ業界
京都呉服問屋 京華 伊達味希
— このプロジェクトの印象は
フィギュアについてあまり知りませんが、着物姿のフィギュアを制作するのに本物の着物を使ってもらえるなら、是非見たいと思いました。詳細を聞いて3Dスキャンで撮影するなど、とても面白い事をするなと。
— 現在の呉服業界とアニメーションとの関わり
和モチーフとキャラクターやアニメーションとの組み合わせは近年のインバウンドの影響で知ってはいますが、私自身が関わっている伝統的な呉服業界とはほとんど接点がありません。
また、市場へのアプローチもお得意様への営業がメインなので、キャラクターと関わるお話がある事は非常に珍しいです。今回は偶然、別の接点があったのでつながったケースですね。
この業界は別に敷居が高いわけでは無いので、これを機会に京都の呉服を知って、呉服屋さんを訪れる方が増えると嬉しいですね。
— D4Aでのスキャン画像を見ての感想
映画やゲームの世界としてイメージはありましたが、実際にこうして見ると凄い事ですね。
さっきまで京華で着付けしていたモデルさんと振袖が、3Dデータになって画面上にある感覚の幅に驚かされます。この画像を見てプロジェクトに実感が持てました。
着付け師、モデル、
京呉服アドバイザー解説

着物と共に重要となるのがスキャンでデータ化される美しい“着付け”と着物をまとったモデルの“所作”である。着付けは京華を通じて松竹で人気時代劇シリーズを担当していた着付け師の松本良史に依頼。帯の結びはアスナをイメージして、古典的ながら武家の女性の基本でもあり、格調高い“文庫結び”を採用するなど、随所にキャラクターと伝統との拘りが見える着付けが実現した。

モデルは「◯◯着物®プロジェクト」をはじめ、伝統と創造の融合を目指すAiP代表平田愛の協力により日ごろから着物と親しみがあり、所作振る舞いに定評のある専門モデルをキャスティングした。また、今回のプロジェクトには京華と同じく京呉服アドバイザーとして西陣織工房りんどう屋主人、自ら伝統工芸士でもある佐々木英人も参加している。

向かって左より
着付け師 松本良史 / 京華 伊達味希
りんどう屋 佐々木英人向かって左より
着物モデル担当 / AiP 平野愛
悠久の刻を超え、京都2000年の歴史と伝統を
最新の技術と感性でSAOに融合させます。
- 京友禅のアドバイザー兼コーディネート
京都呉服問屋 京華
- 京都府京都市下京区夷馬場町7-5
大正十年より京都西本願寺のほど近くにて店を構えて100年。
多種多様幅広く、常時10,000点以上の在庫を取り揃えており、中には現代では再現不可能な技術を駆使した京友禅も保管している。
- フィギュア造形用の京呉服3Dスキャン・データ変換
株式会社 D4A
- 京都府京都市南区西九条蔵王町30-1
大樹生命京都南ビル
1999年創設の3DCGをメインとしたグラフィック会社。3Dスキャンスタジオ「SCANBA!KYOTO」を導入。18メガピクセルのDSLRカメラを100機設置しており、3Dスキャンからの3Dモデル化は勿論、利用目的に応じたデータ制作や3D プリント出力を提案することが可能。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project