Vol.3 プロジェクトパートナーインタビュー
着物の3Dスキャンを
フィギュアに
D4A マネージャー 田島一夫
— このプロジェクトの印象は
いつもの仕事とは違うアプローチで面白いと思いました。通常はゲームの開発スタジオとして、人物用の素材スキャンがメインになっています。なので、フィギュア用素材として「SCANBA!KYOTO」を使用するのは今回が初めてです。グループ会社のKneadでは3Dでフィギュアを造形していますが、取り扱うデータの用途がそもそも異なっているので、このシステムを使うことは考えていませんでした。
確かに、着物のような正解がある実物をフィギュア造形の参考にしたい場合は適していると思います。
— 今回の呉服を選定した理由と実際にスキャン撮影しての印象
思った以上に良いデータが取れました。
ここまで本格的な着物のスキャンを行ったのは初めてなので、事前に対象となる着物を選ぶのも慎重になりました。 着物、帯共に事前に数点を提示頂き、その中から白黒、反射、屈折(ガラス)などモデル化が難しい要素を含む物をできるだけ予想しながら絞り込みました。
着付けての一発勝負ですから緊張しましたが、ここまで細かな部分までスキャンできており安心しました。
資料性も高いと思います。後々、京都で着物の素材としてこのデータが活用されるときが来るかもですね。
3Dスキャンスタジオ
「SCANBA!KYOTO」

D4A社内にある18メガピクセルのDSLRカメラ100機を備えるフォトグラメトリー3Dスキャンスタジオ。

100機の高解像度カメラをシンクロ・レリーズして得られた画像は専用ソフトウェアを介して3Dモデルへ変換、同時に高解像度のテクスチャも生成される。主に人体3Dスキャンを行う仕様となっているが、要望により可能な限り人体以外にも対応。


また、専門のスタッフが3Dスキャンに最適な撮影を行うための様々なアドバイスも行っている。
今回は技術担当の杉本 久がスキャニングのオペレーションを行った。
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向かって左より
D4A マネージャー 田嶋 一夫 /
スキャン技術担当 杉本 久
悠久の刻を超え、京都2000年の歴史と伝統を
最新の技術と感性でSAOに融合させます。
- 京友禅のアドバイザー兼コーディネート
京都呉服問屋 京華
- 京都府京都市下京区夷馬場町7-5
大正十年より京都西本願寺のほど近くにて店を構えて100年。
多種多様幅広く、常時10,000点以上の在庫を取り揃えており、中には現代では再現不可能な技術を駆使した京友禅も保管している。
- フィギュア造形用の京呉服3Dスキャン・データ変換
株式会社 D4A
- 京都府京都市南区西九条蔵王町30-1
大樹生命京都南ビル
1999年創設の3DCGをメインとしたグラフィック会社。3Dスキャンスタジオ「SCANBA!KYOTO」を導入。18メガピクセルのDSLRカメラを100機設置しており、3Dスキャンからの3Dモデル化は勿論、利用目的に応じたデータ制作や3D プリント出力を提案することが可能。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project