Vol.4 プロジェクトパートナーインタビュー
アスナのフィギュアに
“京都”を着つける
knead chiaki&ヲタクミト
— このプロジェクトの印象は
chiaki:kneadは他のメーカー様から発注頂いた原形の制作も行っていますので、今まで着物のフィギュアは何点か手掛けさせて頂いた事がありました。そんな中、今回はちょっとアプローチが違うなと思いました。着物はどうしてもサンプル画像やイラストを参考に原形制作するケースが多いのですが、D4Aのスキャンデータを参考に着物本来の“様式”や“作法”に則って原形制作をするのが新鮮でしたね。
— 原形制作の進行
ヲタクミト:造形するのはもちろんアスナというキャラクターですので、先ずはその再現を第一として、アスナの設定とイメージをもとに素体を造るところからスタートしました。その素体にスキャンしたモデルさんのポーズを取らせて“所作”を確認、更にここでようやく着物のデータを参考にポーズを付けた素体にパーツとして着せ付ける流れです。
できるだけ後戻りが無いように、最初のチェックでキャラクター性が決まるようにするよう心がけています。
着物のスキャンデータがあるから『首から下はスキャンデータで、頭だけ造形すれば原形の出来上がり』と思われるかもしれませんが、キャラクターの頭身バランスやアスナらしさなど現実に存在する形状とは違うので、そこは最初の時点で着物のデータに引っ張られないよう決めていました。

― 着物造形の見どころは?
ヲタクミト:ひとつは帯の結び方ですね。これはとても綺麗にできていると思います。立体として自然で、それでいて見栄えがあります。今までの着物フィギュアでは再現できなかった部分だと思います。
もう一つはやはり全体の構成です。生地の重なりなどの着物本来の構造部分が再現されていると共に、重さや軽さといった質感がデータをもとに再現されているので、想像だけではフォローできない箇所に立体としての説得力があります。ただ、SAOの世界観と調和するようリアルに振り過ぎないように注意しました。

― キャラクター造形としての見どころは?
ヲタクミト:顔の造形はもちろんですが、今回はウンディーネのアスナという事もあり、背中に羽が生えています。着物で羽が生えているフィギュアは今まで無かったので、そこはSAOならでは見た目の豪華さになってます。
青い髪の毛、尖った耳、背中から生えた羽のキャラクターが着物をまとっているというインパクトはこのアスナだけのアプローチだったと思います。
静的なポーズですが、見どころ満載ですので、是非手に取って確認して欲しいです。

― 原形制作を終えて如何ですか?
chiaki:SAO自体が仮想世界と現実世界を行き来するお話ですので、実物とキャラクター表現の融合という趣旨の今回の挑戦ではフィギュアという世界の中でそれと似たような構図が再現できたのではないかと感じています。
2019年9月21日の“京まふ”会場で原形が公開されますので是非会場で実物をご覧ください!

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向かって左より
knead 原形制作担当 ヲタクミト /
造形ディレクション担当 chiaki
悠久の刻を超え、京都2000年の歴史と伝統を
最新の技術と感性でSAOに融合させます。
- 京友禅のアドバイザー兼コーディネート
京都呉服問屋 京華
- 京都府京都市下京区夷馬場町7-5
大正十年より京都西本願寺のほど近くにて店を構えて100年。
多種多様幅広く、常時10,000点以上の在庫を取り揃えており、中には現代では再現不可能な技術を駆使した京友禅も保管している。
- フィギュア造形用の京呉服3Dスキャン・データ変換
株式会社 D4A
- 京都府京都市南区西九条蔵王町30-1
大樹生命京都南ビル
1999年創設の3DCGをメインとしたグラフィック会社。3Dスキャンスタジオ「SCANBA!KYOTO」を導入。18メガピクセルのDSLRカメラを100機設置しており、3Dスキャンからの3Dモデル化は勿論、利用目的に応じたデータ制作や3D プリント出力を提案することが可能。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project